審美歯科
審美歯科
歯科治療には大きく、口腔疾患の予防や治療を中心とした健康保持などの面と、歯並びや色、カタチなどの美観を整えていく面があります。審美歯科はその両面の治療を行い、口元の表情など見た目の美しさを追求する歯科医療分野になります。
米国ではマナーとして当たり前のように行われてきましたが、近年日本でもその意識が高まり需要が高まっています。
審美歯科では、歯を漂白するホワイトニング、歯を削って白い素材を張り付けるラミネートべニア、歯に白いかぶせものをするオールセラミッククラウンなどの独特の治療のほか、歯のすき間を無くしたり歯並びを良くしたりする矯正、歯周病の治療なども行っています。美しくするためだけの審美歯科の治療は基本的に保険適用の対象外ですので、治療費が高いのが難点です。
セラミック治療は、メタルフリー(銀歯、金属を使わない治療)で陶材を使った歯科治療です。
保険で使われる銀歯は金銀パラジウム合金と呼ばれる合金です。当然金属ですので錆びたり、金属イオンとなって体内に溶け出します。近年では為害性(毒性)が高く、金属アレルギーの懸念から「メタルフリー」の意識も高まりました。保険適用の白い歯の材質はプラスチックで、金属のような毒性はありませんが、吸水性があるためプラスチックは経年劣化し、黄色く変色、汚れが付きやすく、口臭の原因のひとつになります。
一方、セラミックは人工関節に使われるなど生体親和性が高く、金属のように錆びたり溶けたりせず、プラスチックのように吸水性がなく劣化しない審美性に優れた素材として注目されています。
見た目が美しいだけでなく、その表面性状も優れ汚れが付きづらいです。つまり、金属やプラスチックと比較して虫歯や歯周病、口臭のリスクが低い素材です。
しかしメリットだけではありません。陶材ですので衝撃に弱く割れる可能性があります。長期間の使用で、ご自身の歯は擦り減るがセラミックは硬く擦り減らず取り残されてしまうと、セラミック部分が強く当たり欠けてしまう恐れや、就寝時のブラキシズム(歯ぎしりや食いしばり)によって割れてしまう可能性があります。当院では、セラミック治療をされた方は定期的なメンテナンスとセラミックとご自身の歯を守る為にナイトガード(マウスピース)の使用をお勧めしております。
セラミック治療は保険が効かない自由診療になります。当院では同じセラミック治療でも着彩、色調の再現度の高さに応じていくつかのグレードをご用意しております。
できるだけ安価なセラミック素材から、より美しさを追求したハイグレードなセラミックまで幅広いニーズにお応えできるようご用意しておりますので、是非ご相談ください。
セラミックと一言で言っても、ハイブリッドセラミック、オールセラミック、ジルコニアなど様々です。
レジン(プラスチック)とセラミックのハイブリッドです。レジンにセラミック粒子が混ざった物で詰め物として即日治療が可能です。耐久性・強度が劣るので当院では、力のかからない部分のダイレクトボンディング(詰め物)で採用しております。被せ物は割れるリスクが高いので取り扱いしておりません。
当院ではe-maxというセラミック素材を主に採用しております。透明度が高く審美性に優れた陶材です。色彩の幅や適応部位によってセラミック専門の技工士と連携して材質選びをしております。
よく耳にする「ジルコニア」ですが、セラミックのひとつです。二酸化ジルコニウムという人工ダイヤモンドで、非常に硬く耐久性に優れています。その硬さは調整時に削ると火花が飛び散るほどです。純度の高いジルコニアは透明度が低く白い材質ですが、近年では透明度が高いジルコニアも作られ審美性が向上しています。
虫歯治療で歯を削った場合、その穴の大きさによって処置が異なってきます。小さな穴を補う場合は詰め物(インレー)となり、虫歯の進行が進み大きく削る場合は被せ物(クラウン)となります。虫歯の進行度によって歯を削る範囲が異なり、詰め物で対応可能なのか、被せ物になるか決まってくるのです。
ケースに応じて即日治療可能なプラスチック充填、インレー、クラウン、ブリッジ、ラミネートベニアなど全ての被せ物に対応しております。
種類と特徴
詰め物や被せ物には、保険診療と自由診療があります。目立たなくする物、治療費がお手頃な物、ケアがし易く耐久性が望める物など様々なタイプがあります。金属アレルギーのある方は、メタルフリーでの治療などリスク対策も必要です。それぞれの特徴を知って、先生と相談しながら自分に合った物を選ぶようにしましょう。
銀歯の詰め物、被せ物です。
経年劣化し錆びます。化学反応により金属イオンとなって溶け出し体内に蓄積するので毒性が高く金属アレルギーを起こす可能性と、歯茎の変色も考えられます。
審美性 ★☆☆☆☆
耐久性 ★★★★☆
見た目が白く、即日の治療が可能で、費用は比較的安価なのも魅力です。プラスチック製なので汚れが付きやすく経年劣化(強度・変色)が懸念されます。
強度が弱いので大きな範囲や力のかかる奥歯では適応外になる場合があります。
審美性 ★★★☆☆
耐久性 ★☆☆☆☆
表側がプラスチック製で歯の色で裏側が金属の被せ物です。保険適用範囲が限られています。(前歯のみ)
コンポジットレジンとメタルクラウンの両方の経年劣化デメリットがあります。
審美性 ★★☆☆☆
耐久性 ★★★☆☆
3Dプリンターでプラスチック製の白い被せ物を制作する方法で、耐久性が弱いので、保険適用で治療ができる歯の部位が限られています(ただ金属アレルギーの診断を受けている方は例外があります)。
金属アレルギーの心配が不要で安心ですが、コンポジットレジン同様汚れが付きやすく経年劣化します。
審美性 ★★★☆☆
耐久性 ★★☆☆☆
e-max セラミックというオールセラミックの詰め物、被せ物です。ガラス質でとても美しく審美性に優れ劣化しません。表面性状も光沢なので汚れが付きづらいです。
ガラス質なので衝撃や強い力で割れたり欠けたりする懸念があり、奥歯や力のかかる部位には適応できません。
審美性 ★★★★★
耐久性 ★★★★☆
セラミックのひとつであるジルコニア(人工ダイヤモンド)でできた白い詰め物、被せ物です。オールセラミックに比べると透明度が劣りますが、一般的なセラミックの10倍以上の強度があり強い咬合力がかかる奥歯に向いています。
審美性 ★★★★☆
耐久性 ★★★★★
ジルコニアで裏打ちし、表面に透明度の高いセラミックを築盛した被せ物で、ジルコニアの強度とセラミックの審美性を兼ね備えており、色調の表現は無限です。表面のセラミック部分に強い力がかかると割れることがあるので奥歯には適応できない場合があります。審美性が高く前歯にオススメです。
審美性 ★★★★★
耐久性 ★★★★☆
金属のフレームで裏打ちし、表面にセラミックを焼き付けた被せ物です。セラミックの厚みが確保できない場合や噛む力が強くセラミックだとどうしても割れてしまう場合などに適応されます。力のかかる部分だけ金属にし、表面をセラミックにした被せ物です。
審美性 ★★★☆☆
耐久性 ★★★★☆
ダイレクトボンディング用の光重合型審美修復用ハイブリッドセラミックレジンを使い複数の色を重ねて築盛することで天然歯のような美しさを再現できます。即日治療が可能です。
コンポジットレジンより、変色しづらく強度に優れていますが、オールセラミックと比較すると劣ります。
金合金や白金加金などの貴金属で作られているため、天然歯に近い硬さで馴染みやすく、銀合金に比べると金属アレルギーが起こりにくいです。
金色なので目立ちやすく、原材料が高いのでセラミックより高額になりやすいです。
審美性 ★☆☆☆☆
耐久性 ★★★★★